今朝こんなツイートがバズっているのを見かけました。
1着3万円の服、私は買うけど友人は買わない
— あーちん (@achin_mmdfk) 2019年2月15日
一粒560円のチョコレート、私は箱買いするけど友人は買わない
1回1万円のネイル、私はしないけど友人はする
1泊5万円のホテル、私は泊まらないけど友人は泊まる
払う価値があると思うものに払えばいいだけな高いだのぼったくりだの文句言うの意味不明すぎる
ごもっともですね。
で、僕が注目したいのが「払う価値があると思うもの」という点です。
日本人は世界の中でもブランド志向が強いと言われています。それに関しては日本人は見栄っ張りだのなんだのという否定的な意見も聞こえてきそうですけども、別に僕はそれはどうでもいいと思ってます。
問題は「それって何で高いんだど思う?」って話です。
はじめての海外の時に、僕はカッコつけたがりなのでこんなスーツケースを買ったんですよ。
2万円くらいのやっすいやつ。えらくデザインが気に入ったので。
けれども最初のフライトでいきなりベルトの一つが無くなっていて、次のフライトではもう一つがブチ切れていました。3回、4回と繰り返すうちに見るも無残な姿へと変貌してしまい、計5回も使わずに壊れてしまったって感じでした。
そんな折、JFK空港でビシッとスーツを着込んだ老紳士がボロボロのルイ・ヴィトンのスーツケースを持っているのを見かけたんですよ。
いや、クッソかっこいいなと。
ルイ・ヴィトンは1854年に世界初となる旅行用鞄の専門店をパリのカピュシーヌ通りに創業するんですけども、軽量かつ壊れることのない彼の作品は爆発的な人気を呼んだわけですが、
僕の時代でそうなんだから、船旅が主だった当時は当然もっと荷物の扱いも雑だったであろうし、5回の旅行で2万円のスーツケースを失うよりは、多少高価でも一生壊れないで使えるスーツケースの方が断然合理的です。
先に僕が出会ったと言った老紳士はまさにそのブランドの魂を身をもって表しているようで、めちゃくちゃカッコイイなと思ってしまったわけです。
完全合理主義が多い欧米の人たちからしたら、日本の繁華街あたりでやたらと若い女性がルイ・ヴィトンを抱えているのが理解に苦しむそうで、まぁそりゃそうだよね、って思います。最初に注目した「払う価値があると思うもの」って意味において。
ちょっとそれとは真逆のお話なんですが、永遠の女性の憧れ、ケリーバックについて。
最低でも100万円~ものによっては600万円くらいするんですけども、元々はケリーバッグという名前ではなくて「サック・ア・クロア」という名称でした。
クソ高い割には全然モノが入らないし、おまけにフロントの二重のベルトを外さないとバッグが開かないというめちゃくちゃ使いづらい代物。以前電車内で見かけた水商売風の女性が友達に自慢してたんですけど、やっぱり使いづらいのよねーって言ってました。
1950年代後半、モナコ王妃のグレース・ケリーはパパラッチからカメラを向けられた際、妊娠中であることを隠すため持っていたバッグで妊娠中のお腹をとっさに隠したんですが、それがこの「サック・ア・クロア」で
その写真が一躍有名になると、エルメス社は名称を「ケリーバッグ」に変更しました。
もうおわかりかと思うのですが、このカバンはカバンであってカバンではないんですよね。彼女くらいの立場の人物には必ず「お付き」が居て、自分でポイントカードでパンパンになった財布やら化粧ポーチやら持ち歩く訳はないんで、これはあくまでファッションの一部であって、先に述べたルイ・ヴィトンとは真逆の、ある意味宝石的な価値で高いんだ、ということがわかります。
本当かウソか知らないんですけども以前僕の友人が、知り合いの成金がロールスロイスを買いに行って「ベンツの方が運転しやすい」ってケチをつけて帰ってきたって言ってたんですけども、ロールスロイスはショーファードリブン車なんで、運転手に運転させて、あんたが乗るのは後ろだよ、って話してました。
高いものに対する純粋な憧れ、ってのはわかるんですけどもそれがあなたにとって「払う価値があると思うもの」なのか?という意味をきちんと理解するのも大事だと僕は思います。
オバマ大統領が来日した際に、すきやばし次郎がクローズアップされて無理してでも行ってみたいという人も多いかと思いますけども、20分お任せのみで3万円というコース、あれって世の中には20分で3万円使わなきゃイケナイ人達が世の中にはいる、ってことなんですよ。我々庶民には理解しがたいですけど月に100万、200万どうしても使わなきゃいけない人って居るわけです。
どうせだったらその3万円でもっとゆっくり楽しんだほうが僕ら庶民は良いと思います。
最初のJFK空港の老紳士以来、僕もきちんとモノの価値を理解した上で、自分にとって価値があるものなのか?必要なのか?という観点でモノを選ぶようになりました。
大人の男性だと、時計や靴など、ただ高いから持ってる、ってよりはキチンと由来や理由を自分と照らし合わせて持っている人はかっこいいなーと思います。
ではでは。