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音楽、IT、サブカル、アイドル、その他思いつくまま好きなものだけ共有したい、ルサンチマンの雑記です。

【思考実験】次に目を開けた時にあなたに見える景色は?

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1960年代にてんかんという病気の治療法が見つかった。

てんかん神経細胞の異常放電によって、
脳全体が異常な電気信号の伝達を繰り返すことで起こる。

そして右脳と左脳をつなぐ脳梁(のうりょう)という部分がこの伝達を繰り返してしまうことから

「じゃあそこを切っちゃえば?」ということになった。

つまり右脳と左脳を2つに切断してしまうわけである。

結果どうなったか?


てんかんは治り、人々は普通に生活できた。
左右を切断しても全く問題なかったわけである。


そこで科学者はある実験を試みた。

1、右脳は左半身を、左脳は右半身をつかさどる。
2、言語をつかさどるのは左脳の働き。

以上のことがわかっている上で

右目と右脳、左目と左脳、それぞれに切断して
目の前に色々なものを置いて、左手で取ってもらうことにする。

まずは右目に、「コップ」という文字を見せる。
そうすると人は、きちんと目の前のコップをつかむのだが、
なんの文字が書いてあったかは

「わかりません」と答える。

逆に左目に、「コップ」という文字を見せる。
そうすると人は、「コップですよね?」と言いながら

なにを掴んでいいのか全くわからない。

ものすごく不思議だけれども
科学的にはきちんと理にかなっている。

右目にコップという文字をみせても言語は理解できないが
右脳が左手を動かして、コップをつかむことは可能。

逆に左目にコップという文字を見せたら、左脳で言語は理解できるが
左手を動かすのは右脳なので行動は出来ない。


さて。
世の中には、右脳を摘出、もしくは左脳を摘出されたままで
生活している人はたくさんいる。

それぞれが独立しても、我々と同じように、考え、泣き、食事をし、睡眠をする
ことが、普通にできるわけである。


ここで思考実験。

あなたはある日、マッドサイエンティストに捕まってしまったとする。
彼はあなたに麻酔をうち、体を半分に切断してしまったとする。

右半分はリビングに、
左半分は寝室に。

どちらの体も、応急処置が施され、生命活動は行われている状態とする。

 


さて…


あなたが目を覚ました時に、見える景色はどちらですか?

 


この場合、必ずリビングか寝室のはずである。
両方が見えることは、ありえない。

なぜなら両方の世界が同時に見えるのであれば
てんかん患者の実験で、どちらの目でみても、「コップ」と答えられたはずである。


仮にリビングが見えた場合。
では、


寝室にいるのは、一体誰?

 

魂があると仮定して、一つしか無いというのであれば、
そしてその「あなた」がリビングを見ているとするのであれば


寝室で、同じように考え、行動し、泣き、生きている、人は一体誰?


魂をもたない、ロボットのような人間なのだろうか?


もう一度いいます。
世の中には右脳のみ、もしくは左脳のみで生活している人達がいる。
それぞれ独立していても、きちんと生活できる。
科学が発達したいま、脳の電気信号を受け取り、義足や義手を動かすこともできる。
逆に脳に電気信号を送り、映像をみせることも出来る。


では両方とも「あなた」だったとしよう。
リビングにいるあなたも、寝室にいるあなたも、どちらも心をもった「あなた」

あなたという存在は分裂することが出来ると仮定する。


ではなぜあなたは、右脳にいたのか。そしてリビングを見ているのか。
左脳でもよかったはずの「あなた」という存在は、
そもそもどういう理由で産まれ考えて、生きているのか?


大した問題じゃない、生きているんだからどっちでもいい
と思うかもしれない。


ではこう考えてみてはどうだろう。

マッドサイエンティストはあなたに麻酔を打つ前にこう言います。
「今からあなたを切断します。そして目が覚めた瞬間右半分は爆破します」

あなたは必死に自分が目を覚ました時に自分が「左脳」であることを願うはずだ。

 

 

 

さて、次に目を開けた時にあなたに見える景色は?