ニコ動出身ミュージシャンが持っている隠れた強みについて語りたい件
時々企業案件というか、まぁ会社のフライヤーのデザインとか頼まれるんですけど、
大抵、年配のボス的な人って、アレもコレも載せてくれって言ってくるんですよね。
ネット世代の皆さんならご存知かと思うんですけど、あんまり興味ないことがごちゃごちゃ書いてあるフライヤーなんか、まず読まれないんですよ。
ここらへんはいつも葛藤なんですけど、僕は大抵こういう質問をします。
「あなたが暇だなって思う時間って何分くらいですか?」
そうすると大抵30分くらいかな?って返事が来るんですけど、
「じゃああなたは30分電車で何もせず座ってられますか?」
って聴くと大抵1~2分でスマホ開いちゃうって言います。
そうなんです。
情報に溢れた現代に生きる我々にとって、暇=1分くらいなんですよ。
だから僕はフライヤーやポスターのデザインも1分で興味持ってもらえるかどうかが勝負だと説明するんですけど、まぁあまり理解してもらえないです。
そりゃそうですよね、どうせお金払うならなるべく情報は多く載せたいだろうし。
音楽に関しても僕らはそんな感覚で接してるのかもしれない。
ちょっと聴いて耳に残らなかったら次の曲って感じで。
まぁ非常にもったいないことなんですけど、なんせ選択肢が多すぎますからね。
いい意味でも悪い意味でも。
YOASOBI - 夜に駆ける / THE HOME TAKE
一見普通のポップなバラードなんですけど、気づきました?
Aメロ、Bメロ、Cメロ
全部歌い方とかトーンを変えてくるんですよ。1分どころか30秒置きに別のトーンになっていく。
一回聴いただけじゃ多分覚えきれなくて、このテクニックこそ、最後まで飽きさせず、つい聴かせてしまう理由なんじゃないかなぁと。
ちなみにこの曲はとある小説をもとに作られてるんですけど、その小説も1分で読み終わります。
こういうのってニコニコ動画独特のシステム、「リアルタイムで感想コメが流れる」に慣れているミュージシャンならではの感性なのかな?って思います。
ここ好き!とかの弾幕が曲のワンフレーズごとにウケるウケないのバロメーターとして視覚的にわかるわけですからね。
そういうのを全部無意識に継ぎ接ぎしたガラパゴスキメラみたいな化け物曲ができたりするんだろうなと。
トップハムハット狂 (TOPHAMHAT-KYO) "Princess♂"
僕めちゃくちゃ好きなんですけど、トップハムハット狂はめちゃくちゃウェッサイ世代なのに日本語ラップが好きだったせいでニコニコで活動していたトラックメイカー兼ラッパーです。この曲もまた非常に目まぐるしい。
彼のこの曲は海外で火がついてフォロワーも7割が米国その他なんですけど、彼いわくイラストレイターがウケたからって説明してたんですけど、謙遜ですかね?
僕は米国にはないめちゃ和風なガラパゴスさを感じるのですが。
トップハムハット狂 (TOPHAMHAT-KYO) "ESKRRRP"
めちゃくちゃ上手いなーって思うんですがどうでしょ?
エレクトリックスウィングあり、フューチャーベースあり、チルもあり、アルバムごとに全然違うテイストで来るので楽しくて好き。
トップハムハット狂 "Windy Indie"
ではでは